瑪瑙の庭

web物書き、大久保珠恵(おおくぼたまえ)の創作ブログです。主に自作小説のことを書いています。

「世界は骰子と遊戯盤」番外編 第三章「刃と弾丸は愛に溺れる」完結しました!!

 こんばんは。

 

「世界は骰子と遊戯盤」番外編

第三章「刃と弾丸は愛に溺れる」

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 完結いたしました!!

 最終話はこちら↓

3-10 明日への光 - 「世界は骰子と遊戯盤」番外編(大久保珠恵) - カクヨム

 

 さて、番外編連作短編の全四章中、三章までが完結いたしました。

 これも皆様の応援のお陰です。

 篤く御礼申し上げますm(_ _"m)

 

 さて、今回は全章の第二章「紅の皇子と碧の巫女姫」

2-1 不吉な始まり - 「世界は骰子と遊戯盤」番外編(大久保珠恵) - カクヨム

 の事件の裏側、地上の大帝国ニレッティアで起こった事件の側面という捉え方です。

 前の章で「地上の首謀者であるソムルフェス伯爵夫人が、家族を道連れに自殺」という結末は明かしてあります。

 この第三章では、そこに至るまでの経緯、ルフィーニル宮殿で巻き起こる宮廷陰謀劇という側面に光を当てています。

 

 さて、ざっくり説明いたしますと、

1)元犯罪者という経歴の霊宝族青年エンシェンラーゼンが、メイダルからニレッティア帝国に派遣されてくる。

2)エンシェンラーゼンが上級メイドのシャイリーンに好意を寄せる。シャイリーンも彼に惹かれる。

3)ニレッティア女帝アンネリーゼに悪夢(ナイトメア)型魔法生物が襲い掛かり、危うく暗殺しそうになる。

4)その後の宮廷での動きが不思議。

5)実は4)はエンシェンラーゼンとシャイリーンが犯人を陥れるために張り巡らせた罠で、犯人はまんまと引っかかる。

6)首謀者ソムルフェス伯爵夫人、家族(未成年の息子二人含む)を道連れに自殺。

7)情勢が一応落ち着いた後、エンシェンラーゼンがシャイリーンの実家ライザート男爵家に、「できちゃった、ついては結婚したい」挨拶エンド。

 ……という感じになっております。

 

 シャイリーンというキャラクター自体は、本編「世界は骰子と遊戯盤」

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 終盤にちょい役程度で出てきた、特殊工作員というか忍者めいた、女帝の私設親衛隊を束ねる上級メイドという人でした。

 メイドがお好きな向きには、印象の深いキャラクターかもしれませんね。

 

 彼女は本編の方のメインヒロイン、レルシェントに、友好の証の魔導武器を贈与されたメンバーのうち一人なのです。

 彼女を出そうというアイディアが出た時から、彼女の魔導武器による戦いも描写しようと決めていました。

 従って、この第三章では「宮廷陰謀劇×恋愛×アクション」という感じのものになっております。

「異なる時間の流れに入り込んで、極端に遅くなった敵に一方的に斬撃を浴びせる」という凶悪な短刀型魔導武器「異空流閃落朱(いくうりゅうせんらくしゅ)」ですが、優雅なのに禍々しくて、スーパーレディなシャイリーンにふさわしかったなと自負しております。

 

 さて、それ以上に売りにしたいのが、二人の心に傷を持つ大人の男女の恋愛模様というやつでして。

 エンシェンラーゼンは、かつて姉を自殺に追いやられ、自分が犯罪者となっても仇を討ったという激しい人。

 そしてシャイリーンは……

 多感な十代のころに実母がテロに巻き込まれて無残な死にざまをさらし、それが心の傷になって、誰とも本当には親しくなれない、という女性です。

 自分も母のように死ぬのだから、誰とも親しくなってはいけないと、不吉な思い込みを抱えているのですね。

 

 こんなシャイリーンが、なぜか積極的にアプローチしてくるエンシェンラーゼンにほだされる、という。

 実は作中に書いていませんが、エンシェンラーゼンは、非常に凛然としたシャイリーンに心を癒されているという側面もあるのですね。

 人の心の最も醜悪な深淵を覗いたことのある彼には、シャイリーンの魔力から伝わってくる魂の高貴さが救いになったという。

 同時に、エンシェンラーゼンは結構家庭に憧れのある人物でして。

 兄弟姉妹が、その自殺に追い込まれた姉一人だったせいもあり、自分は愛する人と結婚して、多めの人数の子供を残したいなあ、みたいな欲求があったわけです。

 自分の血が残るということは、姉の血も残るということですから、姉に関係ある子供に、新しい未来を歩いていってほしい、みたいな願望があります。

 で、シャイリーンに会ったとたん、「あ、俺この人と結婚するわ」という、たまにこちらの世間でも聞く神託が下りてきまして。

 あとは積極的にアプローチしまくり……そしてエンディングのあの状態に、という訳ですね。

 

 シャイリーンにしてみたら、少し前まで結婚や子供なんて別世界の出来事だった訳ですが、現実のものとなってからは、必ずしも嫌ではない……と気づきまして。

 もちろん、相手がエンシェンラーゼンだからですが、この人となら新しい人生を歩いていけるかな、という想いがあったわけです。

 しかも、国の政策的にエンシェンラーゼンの強大な「間隙」の能力を受け継いだ子供、というのが欲しいとつつかれまして。

 特に軍部を指揮するパイラッテ将軍からは

「シャイリーン殿、あなたの賢明さと有能さ、そしてエンシェンラーゼン殿の無敵の魔力を受け継いだ子供を残すというのも、この国の臣民として重要な仕事ではあるまいか!!」

「それはセクハラです。まあ、子供が将来、軍に入りたいと自分から言い出したら親としては尊重しますが、保証はできませんよ? 人一人の意思ですからね?」

 という会話があったとかなかったとか。

 

 ちなみに、デキちゃった子供ですが、双子の女の子です。

 次回第四章、次世代編では、この双子のうち、長女が主人公である「将来の女帝」の上級メイドとして出てきます。

 ぜひこの辺りはお楽しみに……。

 

 それと、追加情報。

 ひそかにお気に入りの、なかなかエッジの利いたシャイリーン父ことライザート男爵。

 テロ事件で負ったけがの後遺症で、長年脚が不自由だった彼ですが、メイダルで最新鋭の医療を受けて、完全な健康体になります。

 そして魔導武器も手に入れた後、家督を息子(シャイリーン弟)に譲ったあと、悠々自適の隠居生活に入ります。

 隠居生活といっても、メイダルの最新鋭医療で以前以上に若返ったので、かなり活動的です。

 領地内で狩猟に励むほか、ルゼロスにまで足を延ばし、昔取った杵柄、で魔物狩りを楽しんでいるとか。

「お父さんから肉の山が送られてきたわ……双子をおなかに抱えて大変なんだから、肉を食べて精を付けなさいって」

 とはシャイリーンの弁だとか。

 

 色々広がる「世界は骰子と遊戯盤」番外編、次の最終話もお楽しみに!!