瑪瑙の庭

web物書き、大久保珠恵(おおくぼたまえ)の創作ブログです。主に自作小説のことを書いています。

新連載「花神剣王」スタートしました!!

 こんばんは。

 

 さて、新連載になる伝奇時代小説「花神剣王」(かしんけんおう)を昨日から公開しています!!

 毎日、昼12:00公開です!!

kakuyomu.jp

 

 主人公は、かの剣豪、佐々木小次郎の忘れ形見の娘、という設定です。

 名を佐々木花渡(ささきはなと)。

 珍しい名前だとお思いでしょうか?

 これにはちょっとした由来があります。

 

 実は、花渡の母親になった女性というのが、熊野出身の巫女で、熊野夫須美神、つまり黄泉の女神、伊耶那美命(いざなみのみこと)を祀る巫女だったという設定なのです。

 

 さて、この伊耶那美命という方ですが、なかなか魅力的な女神様なのですね。

 日本を生んだ母神であると同時に、死者の渦巻く恐ろしい「黄泉」の女神でもある。

 この女神様をお祀りする神社で有名なところに「花窟(はなのいわや)神社」という神社が鎮座しておいでです。

花の窟・花窟神社【はなのいわや】-世界遺産登録『紀伊山地の霊場と参詣道』-

 ご神体は、伊耶那美命の陵墓と言われる、実に高さ70mにもなる巨岩です。

 こちらの神社には「お縄掛け神事」というものが伝わっておりまして、こちらはご神体の岩から、境内南隅の松のご神木までおよそ170mの縄を渡すというもの。

 この縄には10mにもなる幡などと共に、季節の花々や、扇などを結んで渡すのだそうです。

 

 花窟という神社名からして、「花を手向けられた墓」という意味でしょう。

 古代には「殯(もがり)」に岩窟などを使用したこともあるようなので、そういう意味で「死」を匂わせる神社名だと思います。

 また、伊耶那美命は、花がお好きなようですね。

 人類が最初に花を用いたのは、死者に手向けるためであった、という説がありますが、そういう意味で「死」の女神に「花」は相応しいものであろうと。

 

 さて、名前に「花」を戴いた花渡も、この死の女神に愛される花という意味の名前です。

 死者のための花、それが佐々木花渡。

 実際、彼女は自らの刃に掛け、死骸となった者たちに、子供のような無邪気さで花を手向けます。

壱の一 佐々木小次郎の忘れ形見 - 花神剣王(大久保珠恵) - カクヨム

 ここで、花渡が普通と違う感性を持っていることにお気づきいただければいいのですが。

 死の女神のお使いみたいな存在、という意味合いもあります。

 花渡と名付けたのは母親ですが、彼女は自ら仕える女神の加護を祈って、「花渡」と名付けたのですね。

 

 剣豪を父に持ち、更に死の女神に仕える巫女を母に持ち、両方の力を受け継いだ美しき女武者。

 それが佐々木花渡なのです。

 偉大すぎる父親の影に振り回されるファザコン娘を期待しておられた方がおいでなら、もうすみませんとしか。

 表面上、全く父親似なんですけど、深いところで運命まで左右するのは母親の血と力なんですよね。

 

 剣豪×死と花の女神。

 どうです、これで萌えない訳がないでしょう?

 

 特に、江戸の文化風俗、そして社会システムについて入念に勉強した作品ですので、多分時代考証的に、さほどおかしいところはないかと思います。

 ツイッターの方でも、その日に更新した話に関わる江戸の豆知識などを公開していく予定ですので、是非お楽しみになさって下さい。

 多分カクヨムの歴史クラスタさんは本格的な方々が多いので、私の講釈なんぞ必要ないかとは思いますが、一般向けのTIPSということでご容赦を。

 

 それでは、皆様、是非お楽しみになさって下さいませ。

 ではでは。