瑪瑙の庭

web物書き、大久保珠恵(おおくぼたまえ)の創作ブログです。主に自作小説のことを書いています。

「『世界は骰子と遊戯盤』番外編」第一話「兄と弟と罪と虹」完結!!

 こんにちは。

 

 異世界ファンタジー「世界は骰子と遊戯盤」第一話「兄と弟と罪と虹」が完結いたしました!!

 この後、第二話、第三話、第四話と続きますが、一旦はこれで区切りです。

 

kakuyomu.jp

 

 さて、今回の主役は、ジーニックの長兄、ケイエスです。

 本編

世界は骰子と遊戯盤(大久保珠恵) - カクヨム

 では、実弟であるジーニックを、その才覚への嫉妬から裏切り、情報局へと売ったケイエスですが、そんな彼の後悔と懺悔が描かれます。

 

 何せ、陥れたはずのジーニックは、隣国ルゼロス王国で公爵という、貴族の最高位に上り詰めるのです。

 おまけに、後ろ盾だった情報長官ミーカルは失脚してしまいます。

 まあ、これでは空しくもなりますね。

 

 そして、極め付けは、ジーニックに慈悲をかけられてしまったこと。

 これでは無視していた良心の痛みを無視できなくなります。

 おまけに、親兄弟からは咎められたり同情されたりで、ますます心が痛むし、屈辱です。

 

 こんな状態のケイエスでしたが、新しく交流が始まった天空の魔法王国メイダルから、屈指の豪商アル・サイエルダリーム家の跡取り娘が来訪します。

 その女性、マルリミヤーナに、ケイエスは胸がときめきます。

 しかし、こんな穢れた自分は彼女に相応しくないと、心を押さえつけます。

 

 彼女が帰国後も、プレゼントされた通信機器を使って彼女と連絡を取り合っていたケイエスですが、思いがけないことが。

 

「お疲れではないのですか? よろしければメイダルに骨休めにいらっしゃいませんか?」

 

 かくして心の痛みを抱えたまま、ケイエスは愛しい人の待つ魔法王国へ。

 そこで彼に起こったある変化とは?

 

 かいつまんであらすじ(導入部)を説明すると、こんな感じですね。

 実は、このお話、テーマ曲を密かに設定していたのですが、これがこちら、「アメージング・グレース」。


アメージング グレース/歌/英語、日本語字幕

 

 キリスト教圏の聖人の逸話で、それまでろくでもないことをしていたのに、何か衝撃的な出来事があって聖人への道を歩み始める方の逸話があります。

 こういう劇的な宗教的心境変化を「回心(かいしん)」と呼ぶのだそうですが、ケイエスはまさにそれに近い経験をします。

 

 彼の懺悔と回心の物語、是非。

 兄弟愛と、理解の物語でもありますね。

 

 さて、ここからは裏事情。

 

 ケイエスを焚きつけてジーニックを裏切るように仕向けたミーカルですが、その後は悲惨です。

 

 情報長官の職を解かれ、監視付きで田舎に追い払われます。

 ほぼ自宅軟禁ですが、そんなある日、家の近くの海で、死骸となって浮かんでいるのが発見されます。

 顔や体の柔らかい部分が魚に食われ、酷いありさまで、本当にミーカル本人かの確認は難航しました。

 しかし、メイダルからやってきた宮廷雇いの魔術師が、魔法を駆使して「過去知」を行い、ミーカル本人に違いないと確認を取ります。

 まあ、実はこうなったのは、元はと言えば、娘レルシェントを辱められて怒る父親、ナルセジャスルールの呪いがあるのですが、これは公になっていない情報ですね。

 

 まあ、このニレッティアの皇室にメイダルから派遣された宮廷魔術師さんのお話も色々考えられそうですが、それはまた別のお話で。