瑪瑙の庭

web物書き、大久保珠恵(おおくぼたまえ)の創作ブログです。主に自作小説のことを書いています。

小石とアンティークと秘密の形見~「霊性事物の世界共鳴」キャラクターズ~

 こんばんは。

 

 マテリアルロマン「霊性事物の世界共鳴」の共鳴者トリオ、宇津(うづ)チカゲ、一色空凪(いっしきそらな)、多加良百合子(たからゆりこ)についてちょろっと語ってみたいと思います。

kakuyomu.jp

 

こちらは、「漫画原作小説コンテスト」に応募した作品です。

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 少年誌用の作品ですが、ここは私らしく、女性主人公にしてみました。

 

 宇津チカゲは、割と普通の女の子に設定しましたね。

 ちょっとお転婆ですが、まあ、「普通」の許容範囲内でしょう。

 見た目は美少女です。

 この作品はマテリアルがテーマなんですが、実は彼女もある「マテリアル」がモデルなんですよ。

 実は、昔ちょくちょく通っていた地元のデパート(現在は廃業)の、輸入雑貨売り場にあった、ビスクドールをイメージしました。

 流石にああいう出で立ちにはできないんで、「お人形みたいな可愛らしさの美少女」になってます。

 髪もロングじゃなくてショートヘアにして、現代風に。

 コスプレとか本気でしたら、物凄くハマる感じかな?

 

 で、そんなチカゲが大切にしている、世界と共鳴するマテリアル――「霊性事物」は、祖母の住む田舎の海岸で拾った小石です。

 これも、割と普通っぽいエピソードにしました。

 こんな感じで、小さい頃からの「たからもの」を何となく持ってる人なんて、そう珍しくもないでしょう。チカゲがかろうじて珍しいと言えるのは、それを常日頃から持ち歩いていることぐらいで。

 

 チカゲが「ごく普通の日常」から「非日常の世界」に取り込まれるに当たって、あえて彼女自身も環境も、意識してごく普通にしましたね。

 世界に対して開かれた普通の女の子が、「霊性事物」と共鳴することで「共鳴者」の道を歩み出す、という筋立てを際立たせたかったのです。

 主人公は真っ白というか、ストーリーが彼女の人格の一部をなすようにしてみました。

 

 この辺の設定は、私が古株メガテニストだからというのが大きいかも知れませんね。

 普通の日常が、じわじわ浸蝕されていく感覚が好きなんですよ。

 出てくるのはアクマならぬ「マガツヒ」「クグツ」ですが、日常から追い立てられる感じは表現できたかなと思っています。

 

 実はチカゲの霊性事物は、地球どころか宇宙意識の力を引き出す物凄い代物なのですが、チカゲはそんなことに対する実感はありません。

 ま、普通は子供の頃にその辺の海岸で拾った小石が、そんな凄いアイテムだとは思わないから無理もないですが……。

 しかし、その力はチカゲを守ると同時に、非日常世界へ引きずり込みもします。

 徹底的に「マテリアル」と人間の関わりで、日常から飛び出す感覚。

 お守りとか、数珠とか、そういったものに人間の認識を超えたものが宿る、といった感覚に近いですかね。

 

 

 そういった「マテリアル」は、人と人を繋げもします。

 

 

 ヒロイン・チカゲを導く役割のヒーロー役・一色空凪は、祖父にもらったヴィクトリア朝時代の野歩き用コンパスを「霊性事物」として所持する少年です。

 チカゲとは対照的に、彼はちょっと「普通」からはズレた立ち位置にいる少年となっています。

 

 空凪にそのコンパスをくれた祖父は、高名な作家です。

 空凪は深い知識を持つ祖父から、同年代の子供に比べれば突出した知識を与えられています。

 祖父自身は「共鳴者」ではありませんが、「霊性事物」に関する正確な知識を持ち、それを空凪に伝授してくれました。

 空凪はそれゆえ、「共鳴者」の中でも早いうちに活動を始め、高校生にしてすでに多くの経験を積んでいます。

 空凪が、まるで経験深い魔術師っぽく見えるのは、そのせいですね。

 

 チカゲがタロットでいう「0愚者」なら、空凪は道を示す「1魔術師」ですかね。

 空凪の霊性事物は、方向を指し示すコンパスですが、彼自身の物語での役回りも、そうしたものと照応します。

 

 さて、道を示す者は、全てを内包する者に恋をするのですが……

 それは、実際に物語をお読みになっていただけるとありがたいですv

 

 さて、彼らの後見人であるかのような女子大生・多加良百合子は、第二次世界大戦当時の、日本陸軍将官に支給された旧式の拳銃、などというものを霊性事物にしている女性です。

 これを彼女に与えたのは彼女の曾祖父で、彼が長年隠匿してきたそれを、百合子は彼が亡くなる時に、こっそり譲り受けました。

 

 ……いや、前にも書きましたが、本当はこういうことは犯罪なんですよね。

 銃刀法違反になってしまいます。

 うちにもあるよという方は、速やかに最寄りの警察署に届けて下さいね(;^_^A

 

 百合子、という名前にはこだわりがあります。

 これ、古株メガテニストの方は気付かれたかもですが、「真・女神転生」のダークヒロイン・ゆりこからもらったものなんですよね。リリス

 色っぽいおねーさんにしようと思ったので、名前も色っぽく……と考えた結果が「百合子」でした。

 執筆中、「百合子」とタイプするたびニヤケが上がって来た私の様子は、ハタから見たらかなり不気味だったと思います(汗

 

 しかし、「百合子」が「ゆりこ」と違うところは、徹底的に陽気で能天気だということですかね。

 霊性事物が元から武器なもので、戦闘スタイルは脳筋です。

 タロットカードで言えば、百合子は「8力」になります。

 自らの獣、凶暴な武器を使いこなし、手なずけて、自らの力となしています。

「8力」のカードに描かれているのが女性であるように、百合子も実に女性っぽい女性です。

 自らの力を使いこなすのと同時に、百合子は実は後輩共鳴者二名(チカゲと空凪)の力もサポートし、コントロール法をそれとなく教えていると言えそうですね。百合子が背中を守ってくれている安心感で、チカゲも空凪も戦えているっていうか。

 

 

 この三人がトリオとして戦う様子は、なかなかオカルティックと言えそうですが、人間ドラマとして見た場合にも、なかなか味わいがあると自負しております。

 チカゲと空凪が何となくくっつきそうなのを、百合子が面白おかしくサポート!!

 ツンデレイケメンと実はスーパーな少女の青春ちゅっちゅ。

 冒険の中で愛情が育まれるのっていいですねえ。

 何だか、通して読むと、ラスボス氏がチカゲと空凪のアテ馬にされたかのように思えてきてしまいます(;'∀')

 

 さて、三人について語ってきましたが、実は高評価を受けたのは「マテリアル」についてのこだわりだったりします。

 この辺のマテリアル描写なんか、意外と好評でした。

その6 いろいろ屋にて - 霊性事物の世界共鳴(大久保珠恵) - カクヨム

 

「ごく当たり前のものが、凄いものへの扉だったら?」

 という私の勝手なロマンに、チカゲ、空凪、百合子がそれぞれ答えを見せてくれたような気がします。

 そのうち、花影涼(はなかげりょう)、いろいろ屋マスターのスゴ技なんか、発表する機会があったら良いなあ、なんてことも考えていたりします。

 

 ささやかなマテリアルへのロマンという、人間の始原的な感性を愛する方に、この物語が届けばいいな、などと願いつつ。