瑪瑙の庭

web物書き、大久保珠恵(おおくぼたまえ)の創作ブログです。主に自作小説のことを書いています。

「世界は骰子と遊戯盤」番外編 第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」TRPG視点から

 こんにちは。

 

 異世界TRPGファンタジー 「世界は骰子と遊戯盤」番外編 第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」完結いたしました!!

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 さて、こちらでは、本作の主要テーマの一つであるTRPG的な視点で、この短編を解説させていただこうかなと思います。

 

 TRPG視点と言えば、メンバーの特徴ある武器もそうですが、シナリオの構成、並びにパーティ構成という点でお伝えしたいですね。

 

 さて、この「紅の皇子と碧の巫女姫」は、TRPGのシナリオ的に分類するとシティアドベンチャーということになります。

 全部が全部そうではないのですが、基本的に人の住んでいる街中で物語は進みます。

 ラーファシュルズ暗殺を目論んでいるだろう相手をおびき出すのに、メイダルの町中、つまり、現実世界で言うならライブカメラが大量に仕掛けられた大通りをわざと目立つように歩き回る、などということもしております。

 一応ニセ情報として、「ラーファシュルズはメイダル王宮に保護されている」という内容を流して敵を混乱させる……という手法も取るあたり、高度な情報戦という感じがします。

 実際のセッションでこれができたなら、なかなかのベテランプレイヤーではないでしょうか?

 

 かくして、敵とのファーストコンタクトは、メイダルは魔導工芸士の島アニスジャーラ島の大きな街での市街戦ということになりました。

 

 ええと、この襲撃してくる魔法生物というのが、悪夢(ナイトメア)型魔法生物と呼ばれる、人間の心に傷を刻んでコントロールするという、悪質な魔法生物なのです。

 周囲の巻き込まれたメイダル人たちは次々に倒れ伏す、ということになります。

 無論、パーティメンバーも心の中のトラウマを刺激されてえらい目に遭います。

 実際に記述されているのはラーファシュルズのトラウマですね。

 彼が八歳の時に遭遇した、王宮内で起こった爆弾テロの記憶です。

 幸い、彼はじめ女帝一家は怪我だけで済んだのですが、巻き込まれた使用人や臣下たちが相当数亡くなったり、取り返しのつかない怪我を負ってしまっています。

 ちょっとグロ描写があるのは申し訳ないのですが、実際に凄惨な事件ということを示すためなので一つ。

 

 ちなみに、ここで悲惨な最期を遂げた記述のある、当時の上級メイドですが、この方が次回作の主役になるシャイリーンの母君なのですね。

 こういう風に、ちょっと次回作ともリンクしています。

 

 さて、こういう風に人の心の繊細な部分を土足で踏みにじる悪辣な真似をする悪夢(ナイトメア)型を駆使する、敵黒幕に対する怒りを持ってもらおうというGM心。

 ここで、わざと一匹だけ逃がして、召喚獣を使ってアジトまで追尾するという作戦も、ベテランプレイヤー的な対応ですね。

 ……っていうか、この人たちのPLさんって神様ズなのでベテランなのは当たり前なのですが(世界の始まりからTRPGしてる)。

 

 ちなみに、こちらの作品はTRPGシナリオとしてはフリー素材にいたしますので、ご自身のシナリオなどに自由にご活用下さい。

 

 そしておびき出された場所で、またバトル!!

 という二段階構成になっております。

 ここでパーティ構成ですが。

 

前衛:ラーファシュルズ、マリウーラ

後衛:ドニアリラータ、マーディン

 

 ラーファシュルズはレイピアを武器に持ち、運命の流れに干渉できるので、絶対先攻が取れますね。

 マリウーラは敵の距離や性質に合わせた武装の他に、強力な防御魔法を使いこなすので、長期戦向きかも知れません。

 

 ドニアリラータは、完全な攻撃魔法使い。性質の違う召喚獣を多重に召喚できるので、通常の数倍の攻撃力と対応力となっております。

 マーディンは、二丁拳銃の弾丸の性質を調整することで、単純に射撃武器での遠距離攻撃の他、状態異常を付与することも可能です。

 

 TRPG的な観点で、なかなかバランスの取れたパーティだと思いますよ。

 タイプとしてはスピード型で先攻を取り、防御を固め敵に状態異常を付与して何もさせないで沈める嫌な感じのパーティですね(笑)

 

 TRPGモチーフ小説としては、なかなかいい雰囲気だと思うのですが、ご感想などお待ちしております。

 リクエストなども、こちらのコメント欄や、カクヨムの近況ノートコメント欄、ツイッターアカウントなどでお待ちしておりますm(_ _"m)

 

 近況ノート

「世界は骰子と遊戯盤」番外編 第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」完結しました!!/大久保珠恵の近況ノート - カクヨム

 

 ではでは、また来月連載予定の第三話をお楽しみに!!

「世界は骰子と遊戯盤」番外編 第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」連載開始です!!

 こんにちは。

 

 異世界TRPGファンタジー「世界は骰子と遊戯盤」の番外編第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」が連載開始になりました!!

 本日より一週間、毎日朝7:00に一話ずつ公開になります!!

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 本編の「世界は骰子と遊戯盤」はこちら。

世界は骰子と遊戯盤(大久保珠恵) - カクヨム

 

 さて、あらすじの解説は近況ノートに掲載いたしましたので

「『世界は骰子と遊戯盤』番外編」第二話「紅の皇子と碧の巫女姫」連載開始です!!/大久保珠恵の近況ノート - カクヨム

 こちらのブログでは、主要キャラクター四人の魔導武具やその他武装などについて解説してみたいと思います。

 TRPG好きな向きにはたまらないでしょう?

 ああ、設定画が欲しい(笑)

 

1)ドニアリラータ

魔導武器:万軍の茨鎖(ばんぐんのいばらぐさり)

解説:メリケンサック型の指輪から伸びる、棘状のパーツで構成された細い鎖。

 先端は長い棘状の刃物になっており、持ち主の魔力に反応して自在に飛び回り、敵を貫く。

 鎖自体は無限に伸びる。

 召喚術を強化する効果があり、その鎖で取り囲まれた空間には、普通では召喚できないような異世界の存在を召喚する門が出現する。

 この鎖さえ装備しておけば、どんな異世界にも無事に行って帰って来られると言われている。

 あまり武器を振るっているイメージのない彼女だが、実はこういう魔導武器を使いこなしている。

 

2)ラーファシュルズ

魔導武器:照覧の目天体航路(しょうらんのめてんたいこうろ)

解説:淡い金色に仄光るレイピア型魔導武器。

 この魔導武器の凄みは、切れ味もさることながら、「運命の流れに干渉して、少し先の出来事や隠された情報を読み取る」「魔術的なものも含めあらゆる『あり得る運命』を同時に出現させ、敵対した大群すべてに一人で対峙できること」という特殊能力にある。

 例えばAの敵とBの敵、そしてCの敵がいたとする。

 普通のレイピアならこの三体のうち、一度にはどれか一体しか相手取れないが、このレイピアは「Aを相手取った場合」と「Bを相手取った場合」と「Cを相手取った場合」の運命を、全て一つの現実に重ね、全員一度に倒す、ということができる。

 えらく量子力学的な武器であるが、「神々の遊戯場」に量子力学的現象はない。

 多分。

 

3)マリウーラ

魔導武器:体内搭載武装

解説:メイダルの魔導技術の粋を集めて形作られた、戦闘対応魔法生物である彼女そのものが「魔導武器」である。

 手の甲に内臓された魔導空斬剣。

 眼球組織に内臓された精神属性ビーム発振機構。

 そして、強大な防御魔法を展開する魔導生成器官。

 高い運動機能、飛行機能、転移機能、そして魔力感応網による哨戒機能を搭載された彼女は、まさに生ける兵器である。

 

4)マーディン

魔導武器:魔銃冥蛇之蠱惑(まじゅうめいだのこわく)

解説:二丁一対の魔導拳銃。

 うねる蛇のデザインが施され、それぞれ「暁」「宵」の銘がある。

 射出される魔力弾のエネルギーも高いが、最大の特徴は、その弾丸の種類を、持ち主の意思に応じて自在に変更できるというもの。

 例えば、対象を生け捕りにしたい場合などは、昏睡の呪いを固めた魔力弾を射出すれば、傷付けずに昏倒させることができる。

 工夫次第では、回復の魔力弾なども射出できるので、戦場では万能の性能を誇る。

 ラーファシュルズを「守る」ために、またとない応用性の高い武器である。

 

~~~~~~~~~~~~~~

 以上、こんな武器で彼らは戦っています。

 もしご質問などあれば、コメント欄にでもお願いしますヾ(*´∀`*)ノ

新連載「花神剣王」スタートしました!!

 こんばんは。

 

 さて、新連載になる伝奇時代小説「花神剣王」(かしんけんおう)を昨日から公開しています!!

 毎日、昼12:00公開です!!

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 主人公は、かの剣豪、佐々木小次郎の忘れ形見の娘、という設定です。

 名を佐々木花渡(ささきはなと)。

 珍しい名前だとお思いでしょうか?

 これにはちょっとした由来があります。

 

 実は、花渡の母親になった女性というのが、熊野出身の巫女で、熊野夫須美神、つまり黄泉の女神、伊耶那美命(いざなみのみこと)を祀る巫女だったという設定なのです。

 

 さて、この伊耶那美命という方ですが、なかなか魅力的な女神様なのですね。

 日本を生んだ母神であると同時に、死者の渦巻く恐ろしい「黄泉」の女神でもある。

 この女神様をお祀りする神社で有名なところに「花窟(はなのいわや)神社」という神社が鎮座しておいでです。

花の窟・花窟神社【はなのいわや】-世界遺産登録『紀伊山地の霊場と参詣道』-

 ご神体は、伊耶那美命の陵墓と言われる、実に高さ70mにもなる巨岩です。

 こちらの神社には「お縄掛け神事」というものが伝わっておりまして、こちらはご神体の岩から、境内南隅の松のご神木までおよそ170mの縄を渡すというもの。

 この縄には10mにもなる幡などと共に、季節の花々や、扇などを結んで渡すのだそうです。

 

 花窟という神社名からして、「花を手向けられた墓」という意味でしょう。

 古代には「殯(もがり)」に岩窟などを使用したこともあるようなので、そういう意味で「死」を匂わせる神社名だと思います。

 また、伊耶那美命は、花がお好きなようですね。

 人類が最初に花を用いたのは、死者に手向けるためであった、という説がありますが、そういう意味で「死」の女神に「花」は相応しいものであろうと。

 

 さて、名前に「花」を戴いた花渡も、この死の女神に愛される花という意味の名前です。

 死者のための花、それが佐々木花渡。

 実際、彼女は自らの刃に掛け、死骸となった者たちに、子供のような無邪気さで花を手向けます。

壱の一 佐々木小次郎の忘れ形見 - 花神剣王(大久保珠恵) - カクヨム

 ここで、花渡が普通と違う感性を持っていることにお気づきいただければいいのですが。

 死の女神のお使いみたいな存在、という意味合いもあります。

 花渡と名付けたのは母親ですが、彼女は自ら仕える女神の加護を祈って、「花渡」と名付けたのですね。

 

 剣豪を父に持ち、更に死の女神に仕える巫女を母に持ち、両方の力を受け継いだ美しき女武者。

 それが佐々木花渡なのです。

 偉大すぎる父親の影に振り回されるファザコン娘を期待しておられた方がおいでなら、もうすみませんとしか。

 表面上、全く父親似なんですけど、深いところで運命まで左右するのは母親の血と力なんですよね。

 

 剣豪×死と花の女神。

 どうです、これで萌えない訳がないでしょう?

 

 特に、江戸の文化風俗、そして社会システムについて入念に勉強した作品ですので、多分時代考証的に、さほどおかしいところはないかと思います。

 ツイッターの方でも、その日に更新した話に関わる江戸の豆知識などを公開していく予定ですので、是非お楽しみになさって下さい。

 多分カクヨムの歴史クラスタさんは本格的な方々が多いので、私の講釈なんぞ必要ないかとは思いますが、一般向けのTIPSということでご容赦を。

 

 それでは、皆様、是非お楽しみになさって下さいませ。

 ではでは。

「とこしえは天地にあり、聖晶は世を抱く」第四話「彼方よりの友」完結しました!!

 こんにちは。

 

 闇と官能の現代伝奇ファンタジー「とこしえは天地にあり、聖晶は世を抱く」第四話「彼方よりの友」完結いたしました!!

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 さて、今回は、今までとちょっと違った趣向を凝らしています。

 今までは主人公と、客となる、「浄化」すべき悪魔や邪神の「業融(ごうゆう)」との関係が主軸でした。

 しかし、今回の第四話は、業融の悪戯(?)に巻き込まれる一般人の視点から、主に物語をお送りしました。

 

 今回の実質上の主役とも言うべきキャラクターは、ごくごく普通の女子高生、志葉(しば)なつき。

 彼女は友人にプレゼントされた、ある有名な画家が描いた幻獣が焼き付けられた陶板ペンダントを持っていましたが、そこからまさに「描いてある幻獣」が実体化して、人間を襲ったのです。

 もちろん、襲われた方に非がない訳ではありません。

 彼女は、その同級生たちに悪質ないじめを受けていたのです。

 実体化した幻獣の行動は、なつきをいじめっ子から守る行動だと言えましょう。

 

 しかし。

 クズのいじめっ子だろうと、人権はあります。

 法律上は。

 そして、聖矛課の面々は国家公務員。

 神魔が関り、そしてそれが国が定めた法に触れるような事件(指定神魔事件)を起こしては、無視する訳にはいかないのです。

 

 かくして、なつきのペンダントから出てきた幻獣が引き起こした事件は、宮内庁奉神部聖矛課の面々が、例によって担当することになります。

 彼らによると、なつきを過剰なやり方で守った幻獣は「使い魔」だということ。

 あの、悪魔が自分と契約した魔女だの魔術師だのに与える、あの「使い魔」です。

 すると、それを彼女に与えた悪魔が存在するということですが、事件はここから込み入っていきます。

 

 ペンダントを製作した画家の身元は、すぐ知れます。

 芸術一家サラブレッドとして生まれ、実際に画家として高度な才能を見せながらも、荒んだ家庭環境のせいで精神を病んだ青年画家。

 音喜多恵理也(おときたえりや)は、悪魔パイモンに心身を乗っ取られ、業融となっていました。

 ペンダントに描いた幻獣に、配下の悪霊を封じて幻獣を作り上げ、それをペンダントを入手した人物に無作為にばらまき、無数の「魔女」を作る。

 この行為が悪魔としての本能なのか、それとも音喜多青年の病んだ精神が生み出した強迫観念の結果なのかは微妙なところです。

 しかし、問題は、それを実行してしまったところ。

 主人公、神聖娼婦の磐永時輪は、彼と接触します。

 しかし、どうも彼には、人間に危害を加えたいといった欲求はなかった模様。

 あのような凶暴なことをしたのは、自分の意思ではない、と告げます。

 はて……???

 

 実は、「使い魔凶暴化」の原因は、なつきに使い魔ペンダントをプレゼントした彼女の親友、荒木千佳(あらきちか)。

 彼女は、生まれながらの高い魔力を、自分でも気づかぬうちに持っていました。

 そして、それと、ある悲惨な境遇が合わさった時に生み出された狂気が、悪魔の魔力に干渉して使い魔に影響を与えてしまったのです。

 

 思春期の少女の純粋さと、貼り合わせの狂気。

 彼女も必ずしも悪意からこうしたことをしたのではなく、友達を助け、彼女に理不尽な迫害を与えたろくでなしどもに、相応しい裁きが下されて欲しかっただけなのです。

 

 さて、こんな彼女に、女神の化身、時輪が用意した結末は?

 ちょっと百合風味もお楽しみいただけますよ、ふふふ。

 

 さて、今回色々資料を参考にしましたが、特に頼ったのがこちら。

 

悪魔と悪魔学の事典

悪魔と悪魔学の事典

 

 

 ちょっとお高めの本ですが、十分にそれだけの価値はあります。

 ちょっと、不埒な悪魔の世界に浸ってみませんか?

「『世界は骰子と遊戯盤』番外編」第一話「兄と弟と罪と虹」完結!!

 こんにちは。

 

 異世界ファンタジー「世界は骰子と遊戯盤」第一話「兄と弟と罪と虹」が完結いたしました!!

 この後、第二話、第三話、第四話と続きますが、一旦はこれで区切りです。

 

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 さて、今回の主役は、ジーニックの長兄、ケイエスです。

 本編

世界は骰子と遊戯盤(大久保珠恵) - カクヨム

 では、実弟であるジーニックを、その才覚への嫉妬から裏切り、情報局へと売ったケイエスですが、そんな彼の後悔と懺悔が描かれます。

 

 何せ、陥れたはずのジーニックは、隣国ルゼロス王国で公爵という、貴族の最高位に上り詰めるのです。

 おまけに、後ろ盾だった情報長官ミーカルは失脚してしまいます。

 まあ、これでは空しくもなりますね。

 

 そして、極め付けは、ジーニックに慈悲をかけられてしまったこと。

 これでは無視していた良心の痛みを無視できなくなります。

 おまけに、親兄弟からは咎められたり同情されたりで、ますます心が痛むし、屈辱です。

 

 こんな状態のケイエスでしたが、新しく交流が始まった天空の魔法王国メイダルから、屈指の豪商アル・サイエルダリーム家の跡取り娘が来訪します。

 その女性、マルリミヤーナに、ケイエスは胸がときめきます。

 しかし、こんな穢れた自分は彼女に相応しくないと、心を押さえつけます。

 

 彼女が帰国後も、プレゼントされた通信機器を使って彼女と連絡を取り合っていたケイエスですが、思いがけないことが。

 

「お疲れではないのですか? よろしければメイダルに骨休めにいらっしゃいませんか?」

 

 かくして心の痛みを抱えたまま、ケイエスは愛しい人の待つ魔法王国へ。

 そこで彼に起こったある変化とは?

 

 かいつまんであらすじ(導入部)を説明すると、こんな感じですね。

 実は、このお話、テーマ曲を密かに設定していたのですが、これがこちら、「アメージング・グレース」。


アメージング グレース/歌/英語、日本語字幕

 

 キリスト教圏の聖人の逸話で、それまでろくでもないことをしていたのに、何か衝撃的な出来事があって聖人への道を歩み始める方の逸話があります。

 こういう劇的な宗教的心境変化を「回心(かいしん)」と呼ぶのだそうですが、ケイエスはまさにそれに近い経験をします。

 

 彼の懺悔と回心の物語、是非。

 兄弟愛と、理解の物語でもありますね。

 

 さて、ここからは裏事情。

 

 ケイエスを焚きつけてジーニックを裏切るように仕向けたミーカルですが、その後は悲惨です。

 

 情報長官の職を解かれ、監視付きで田舎に追い払われます。

 ほぼ自宅軟禁ですが、そんなある日、家の近くの海で、死骸となって浮かんでいるのが発見されます。

 顔や体の柔らかい部分が魚に食われ、酷いありさまで、本当にミーカル本人かの確認は難航しました。

 しかし、メイダルからやってきた宮廷雇いの魔術師が、魔法を駆使して「過去知」を行い、ミーカル本人に違いないと確認を取ります。

 まあ、実はこうなったのは、元はと言えば、娘レルシェントを辱められて怒る父親、ナルセジャスルールの呪いがあるのですが、これは公になっていない情報ですね。

 

 まあ、このニレッティアの皇室にメイダルから派遣された宮廷魔術師さんのお話も色々考えられそうですが、それはまた別のお話で。

「『世界は骰子と遊戯盤』番外編」連載開始しました!!

 こんにちは。

 

 完結済みの異世界TRPGファンタジー長編「世界は骰子と遊戯盤」

世界は骰子と遊戯盤(大久保珠恵) - カクヨム

 の番外編の連載が始まりました!!

 

「『世界は骰子と遊戯盤』番外編」

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 こちらは、連作短編の形式で一話ずつ連載していこうかと思っております。

 

 連載予定は以下の物語。

 

●第一話「兄と弟と罪と虹」

 末弟ジーニックを裏切った長兄ケイエスマイラーの物語。

 ふとしたことで知り合った、メイダルの豪商アル・サイエルダリーム商会の跡取り娘、マルリミヤーナ。

 彼女にメイダルに招かれたケイエスは、自分の罪と向き合えるのか。

 そして、彼の罪を知った時、マルリミヤーナは?

 

●第二話 タイトル未定

 ニレッティア帝国の皇太子ラーファシュルズと、レルシェントの妹、メイダル王国の大司祭家の三女、ドニアリラータの物語。

 ふとしたことでメイダルを訪問したラーファシュルズは、ドニアリラータと共にあるトラブルに巻き込まれ?

 

●第三話 タイトル未定

 ニレッティア帝国女帝アンネリーゼの上級メイドにして親衛隊長、シャイリーンと、メイダルで、その愛ゆえに罪人となった若者エンシェンラーゼンの物語。

 女帝の魔術的ボディガードとして、メイダルより派遣された元犯罪者エンシェンラーゼンは、仕事一筋のシャイリーンに惹かれて果敢にアタックを始め?

 同時に不穏な気配が宮廷に?

 

●第四話 タイトル未定

 ニレッティア女帝の孫娘、ラーファシュルズとドニアリラータの長女、アンネラウラ。

 彼女には、幼い頃から婚約していた許嫁がいた。

 彼は、ルゼロス王国国王オディラギアスと、メイダルの大司祭家出身の巫女姫レルシェントの次男、ローベルセイン。

 突っ張ってるけどアンネラウラには甘いローベルセインと、おてんば娘アンネラウラのちょっとした冒険???

 

 以上、こんな予定となっております。

 一話完結までは毎日連載ですが、短編と短編の間は、不定期に開くかと思われます。

 よろしければお読みいただけると有難いですm(_ _"m)

 

「とこしえは天地にあり、聖晶は世を抱く」第三話「女神と死神」公開です!!

 こんばんは。

 

 大人のための、ダーク&エロティック現代伝奇ファンタジー

「とこしえは天地にあり、聖晶は世を抱く」

の連作短編第三話「女神と死神」公開いたしました!!

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 さて、今回は、「宮内庁奉神部聖矛課」の仲間の一人にして、浄化された業融という異色の経歴を持つメンバー・忽滑谷輝和(ぬめりやてるかず)が、どのようにしてこのヒーロー組織の一員になったのかが語られます。

 

 日本有数の資産家の家に生まれた忽滑谷ですが、彼の父親という人が、主に海外の、考古学的価値のあるような骨董品(本来その国や地域の法に照らせば違法なものも含む)を収集するのが趣味、という厄介な人でした。

 実は、その収集した骨董品の中に、中米の古代マヤ文明の遺物が含まれておりました。

 具体的には、邪神とされるチャミアホロムの封じられた石像ですね。

 そんなに大きなものではないのですが、まあ、もちろん魂ですから大きさに関係ありません。

 居間の飾り棚の上に無造作に置かれたそれを、そこの息子である輝和が何気なく側によって観察し……そして、あっという間に心身を乗っ取られてしまいます。

 チャミアホロムと忽滑谷輝和は融合し、「チャミアホロムの業融」へと姿を変えます。

 

 さて、このチャミアホロムという邪神について大まかに説明いたしますね。

 

 マヤ文明には、地下に人間と敵対する悪魔的な存在が暮らす王国があるという考えがありました。

 その地下の王国は「シバルバー」と呼ばれ、現在でもマヤ文明の子孫の方々の間では「悪魔」や「死者」を指す言葉として残っています。

 そのシバルバーには、十二柱の主が存在するとされています。

 シバルバーの言葉の意味としては悪魔ですが、機能的には邪神的な存在ですね。

 作中では、邪神として扱っています。

 もっとダイレクトには、「死神」とでも表現すべき存在かも知れません。

 

 十二柱のシバルバーの主は以下の通り。

フン・カメー=「第一の死」の意。死そのものを司る。シバルバーのまとめ役。

ヴクブ・カメー=「第七の死」の意。フン・カメーと同様、死そのものを司る、シバルバーの首領的存在。

シキリパット=「空飛ぶ手押し車」の意。流血をもたらす役目。

クチュマキック=「たくさん集まった血」の意。シキリパット同様、流血をもたらす。

アハルプー=「膿を作る者」の意。特定の病気をもたらす。

アハルガナー=「水痘の出る病気」の意。アハルプー同様に病気をもたらす。

チャミアバック=「骨で作った杖を持つ者」の意。人間をやせ衰えさせて死なせる、衰弱と死を司る者。

チャミアホロム=「髑髏付いた杖を持つ者」の意。チャミアバック同様に死と衰弱の象徴。また、彼と共に、シバルバーの番兵だともいう。

アハルメス=「ごみを作る者」もしくは「不潔なものを扱う者」の意。人間に急死を与える。

アハルトコブ=「悲惨な目に遭わす者」の意。アハルメス同様に急死をもたらす。

シック=鷹の一種の名称。野外での死を司る者。

パタン=荷物を背中に担ぐために、額からかけるバンドの名称。シックと同様、野外での死を司る者。

 

 彼らに関する資料は、こちらを参照しました。

 

マヤ神話―ポポル・ヴフ (中公文庫BIBLIO)

マヤ神話―ポポル・ヴフ (中公文庫BIBLIO)

 

 

 さて、この中の一柱、チャミアホロムが忽滑谷輝和と融合した訳ですね。

 全くの事故ではあるのですが、彼が選ばれたのには相応の訳があります。

 邪神と共鳴するほどの「闇」を抱えていた訳です。

 具体的にどんな「闇」だったのかは、是非本編の方を。

 

 ええと、邪神や悪魔と融合した人間である「業融」は、コスチュームとかを現代風にしている訳ですが(流石に古代マヤとか古代ユダヤ王国の服装とかさせる訳にはいきませんから)、忽滑谷は、ちょっとパンクバンドっぽい出で立ちをさせています。

 髑髏を模した、顔の下半分を隠すマスクに、骨の装飾の付いた革ジャケットみたいな感じですね。

 これに、頭蓋骨を中心にした人骨を組み合わせて作った、不気味な杖を持っています。

「髑髏の付いた杖を持つ者」チャミアホロムの業融だから、こういう格好ですね。

 割とこの「邪神悪魔現代コスチューム」を考えるの、好きだったりしますね。

 キャラクターを自分の手でカスタマイズしているみたいで。

 

 さて、この業融をどうやって……といいますか、この人、アジトを掴ませず神出鬼没で東京に死と衰弱の神威を撒いていったのですね。

 こういう者を捕まえるには?

 

 実際のところは本編をよろしくです。

 石長姫命の化身の能力、なかなかチートです。

 神話でことさら悪く言われる神は、実は凄い、の法則。

 

 さて、これから彼にはふしだら女神様に入れ込む甘い地獄の日々が待っている??

 以降のお話もよろしくですヾ(*´∀`*)ノ